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和也―――――――――――――
「あった!
あった!」
懐中電灯で地面を照らし、俺は辺りを探りながら進んだ。
仁について行き、恐怖に耐えながら、なんとか山頂に辿り着き、今は虹玉、虹石探しをしていたところであった。
虹石はすぐに見つかる。
この暗闇の中で、虹石は綺麗に光り輝いていた。
要は虹色の光を探し、そこまで歩いて行けば、地面に転がっているってわけだ。
俺は、生い茂った草の中で輝く虹石を拾い上げた。
ゴツゴツとしているが手の指先で掴める程の普通の小石と大して変わらない大きさ。
これで二個目だ。
全員が少しバラけて、草の中を凝視して探している。
俺が手を休めると、懐中電灯の灯りが一つ近づいてきた。
こっちがその方向を照らすと仁の顔が浮かび上がる。
「天草総長に見せてもらった虹玉が見つからない」
差し出してきた仁の手には俺よりも一つ多く、三つの虹石が握られていた。
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