逃走

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「春雨。 こいつは、私がやります」 インテリメガネが数歩前に出てきて私との距離は数m程になる。 ってかちょっ! また私と喋り方が被っているような奴が出てきた! 「あんたは、天草四郎さんですね?」 インテリメガネが、余裕そうに私へ聞く。 「いかにも。私が天草四郎だ」 私の名前を知っている。 こいつ……ふざけている場合じゃないぞ。 身体全体から強さを感じる。 白衣のポケットに突っ込んだ両手。 こんなに強い奴は見たことがない。 さすがですね。 「あなたの名前をお聞かせ願いますか?」 私は彼の事を何も知らない。知ることに意味があるような気がした。 「花道院秀一です」 ニコッと笑った花道院からは殺気が放たれる。 私は、臨戦態勢に入った。
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