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逃げたい……。
心の中でボソッと呟いた。
だけど、高杉隊長はどうする!
黒こげにはなってても真文のとこへ連れて行けばなんとかなるかもしれない!
逃げたいだなんて……。
仲間を見捨てることを考えるなんて最低だ。
隊長としても新撰組としても人間としても。
だいたいこの二人から逃げられるのか?
まるで見物するように俺と和也を敵は見ている。
動けるものなら動いてみろと。動いた瞬間に殺すって目が言ってんなあ。
そ、そうだ。だけど一人なら……。
「和也。先に逃げろ。
今、穴を作るからな」
俺の身体の中には、
スキルの種「愛」が入っている。
そんなに遠くに行かなきゃ居場所はわかる。最悪、死ぬ場合には、種を自分で取り出して、時空の穴で和也に送るかな……。
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