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どう見ても、俺を襲ってきた奴とは、別人だ。
どうなってる?
「夏鮫。どうなの?彼じゃないの?」
秋醒が俺に近寄り、顔を下から覗き込んでくる。
「ああ。別人だ」
あとは、能力か。こいつが変化系の種や別人になる道具を持っている可能性もある。
それを見極めるなら瞬間移動を見せてもらった方が早いな。
「お前、瞬間移動のスキルの種を持っているだろ?
ちょっと移動するとこを見せてくれよ」
ミラは、髪をかきあげながら、微笑み、俺に返答した。
「よくご存知で。
私の能力ですか?
いいですよ」
!!!!!
そう言い放った後には、俺のすぐ目の前にミラが立っていた。
消えた?いや、消えた事を目で確認することすら、できなかった。
現れる瞬間でさえも見えない。
この能力じゃない!!!
どうなってる!?いや、おかしい!
「能力も違う!」
俺は、あまりの予想外に声を荒げ、イラついた。
机以外は何も置かれていないこの部屋に、ただ声が響く。
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