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仕方ないなあ。ここは、素直に少しだけ、本当の事を話しておくか。
闇刀の事は、伏せてな。
「一年程前に国会議事堂を襲撃したろ?
俺は総理大臣担当だったが、お前が来る少し前に、全然知らない誰かに襲われたんだ」
「全然知らない誰か?」
秋醒は、首を右に傾げ、人差し指を顎に当て、俺に聞いてくる。
「ああ。お前にも前に話したとは思うが、その瞬間移動みたいな能力で突然、現れてな、ほんの数秒くらいでまた消えたんだ」
「へぇ~。不思議な話だね。キャハハハハハ!」
「だろ?」
秋醒は、俺の話を聞いて、しばらく腕を組み、考えているような仕草をする。
「それでそいつがミラだったら死刑にするってわけね」
「ああ」
「あまりゲームのプレイヤーに手を出したら駄目だよ。
ノア様捜索がかかっているとは言っても、僕達だって、今はプレイヤーの一人で、訓練なんだし、本当は他のプレイヤーに手を出しちゃいけないんだから!」
妙だ。秋醒の怒り方がいつもと違う気がする。
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