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「なんかいつもとお前、違う気がするんだが、どうした?」
俺は、思った事をすぐに聞く方だが、何が違うのか、聞いてからやっと気づいた。
秋醒は、いつも常に表情をにこやかにして笑っている。
だが今は、笑っていることは笑っているが、目が笑っていない。
何か知っているのか?
「思い当たることでも、あるのか?」
「え!?ないよ!」
秋醒が慌てて、片手を横に振るが、逆に怪しく思えてしまう。
まあ、気のせいってこともあるけどな。
「あっ!ほらほら大阪城が見えてきたよ!」
話題を変えようと思ったのか、秋醒は、下を指差した。
視線をそっちに移すと確かに見えていた。
少し下に浮かんでいる雲の向こうには、堂々と立派にそびえ立つ大阪城があった。
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