帰らぬ人

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ピタリ 仁の言葉に反応し、天草総長の動きが停止したように止まる。 「いや全然、凄くはないですよ」 天草総長は、手のひらを横に振り、急に真顔になった。 怪しい……。なんてわかりやすい人なんだ。 俺達には秘密ってわけか……。 「ゴホンッ!」 天草総長は、一度、咳き込んでから改めてノアに向かって口を開いた。 「新撰組の屯所に着いたら、局長に会っていただきます。 そこでゆっくり話しましょう」 それに対して、少女ノアは落ち着いて返答する。 「わかったわ。 あなた達しか、もう頼る人はいないもの」 …………。 なんだか表情は、子供とは思えず、だいぶ大人びて見える。 ふと仁を見ると、下を向いて何かを考えているように見えた。
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