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「どうしました?」
僕は、渇いた口を開き、聖徳太子さんに聞いた。
「どうやら、あの女の取り調べが終わったようです」
「そうですか…………」
大事な事なのは、わかっているが、全然頭に入ってこない。
聖徳太子さんは、足を進め僕に歩み寄り、そっと手を置いた。
「そんなに気落ちしてると、体調に影響しますよ。
少しは元気出さないと」
手のひらで僕の髪をワシャワシャとし、くしゃくしゃにする。
「そうですね……土方さんが生きていたら怒られますよね」
「あなたは、一番隊の隊長なんですから」
「はい……」
「副長、安らかに眠っていますね」
そう言って聖徳太子さんは、棺に眠る土方さんの顔を覗き込む。
「聖徳太子さんは、土方さんが死んで本当に悲しいんですか?」
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