目的（第２章）

目的

なんだろう……。まなみの事で真文も落ち込んでいるだろうから、その事か？

俺が、ＯＫと返信をすると、すぐさまメールが来た。

勿論、送り主は、真文からで、待ち合わせ場所は、１０分後に１階のロビーと書いてある。

俺は、了解と返しＳＧを閉じた。

真文もまなみを失ってきついのは、わかるが一番辛いのは仁だ。

だいたい俺はその場に居たわけじゃないが、おじさんが死ぬ時も一緒に居たのは仁だっていうし。

白神山地では、まなみ。

そして師でもある副長の土方さん。

どう考えたって普通でいられるはずがない。

こんな時だからこそ、俺だけでもしっかりしなきゃな。

『わかってきたやないか。
真っ向から悲しみを背負う事で、乗り越えた時、人は強くなるんや』

闇刀の声が心に響く。

時計を見ると、待ち合わせ時間まで五分を切っていた。

そろそろ行くか。