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私は、手紙を握り締めたまま動けずにいる。
吾朗は、何が目的なんだろう。
高校時代が嘘のように儚く感じてしまう。
あの時は、和也、仁、吾朗、まなみと楽しく過ごし、今となっては、信じられないけど、平穏な毎日で……。
崩れ去ってしまったけど、こんなゲームを通して奇跡的にまた再会できて。
それなのに……なんでこうなるかな……?
まなみに会うことは、二度とできない。
ガチャッ!
部屋の扉が開く音が、聞こえ、誰かが入ってくる。
!!!!!
目の前には、和也が立っていた。
私は、慌てて手を後ろに回し、手紙を身体で見えないように隠した。
もどかしそうに和也は、口を開く。
「ごめん。
何度か、ノックしたんだけどさ……返事がなかったから、何かあったのかと思って勝手に入った」
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