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「吾朗に……いつだ?」
それまで笑っていた和也が、急に真剣な表情になり、私の目を真っ直ぐ見た。
「……白神山地で和也達と別れて、まなみがライオンと戦うためにハンビーを降りた、その後。
新しい敵が現れて逃げている時に……吾朗が現れたの」
「それで?」
「敵から私を助けてくれた……」
「…………」
「あと、和也に会いに来たって……」
ここまで来たら、渡すしかない……。
私は、後ろに隠した手紙を和也に差し出した。
相変わらず封筒は、金色に輝いている。和也は私から視線を外し、手紙を見た。
「これを和也に渡してくれって……」
和也は、私から封筒を受け取ると落ち着いた様子で封を切り、手紙を取り出して読み始めた。
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