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『よう言った!
それでこそ、男や!
八つ裂きにしたろやないか!』
「和也……」
「真文が行くか行かないかは、自分で決めてくれ。
俺は、一人でも吾朗に会いに行く。
もしかしたら、あいつにも事情があったかもしれない……。
上手くいけば、また俺達の仲間になるかもしれないだろ!」
『ボケェェェ!どんだけの甘ちゃんなんや!
刺されたんやぞ!
やられたらやり返すくらいやないとあかん!』
真文は、何も言わず気まずそうに、顔を下に向けた。
「まだ時間は、沢山あるから真文はゆっくり考えろよ」
「わかった……」
「じゃあ俺、部屋戻るから」
真文……ごめんな。
やっぱりどうしても会いたいんだ。
俺は、真文の部屋から自分の部屋に帰ると、ベッドにぶっ倒れ、吸い込まれるように寝てしまった。
帰ってきて、安心しきっていた。
この日の夜、あんな事件が起きるなんて思いもせずに……。
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