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朝方。秋の雰囲気を感じさせるように、少しだけ冷たい風が吹く。
白神山地よりは、だいぶマシだけどな。
ってか屋上のせいだよ。
俺達は、エレベーターで最上階に上がり、屋上に来ていた。
最上階は、エレベーターを降りると隊長達専用のロッカーがあり、扉を開けて、そこから出れば、フェンスに囲まれた屋上が広がる。
通常は、ここからフライシューズで出撃していくらしい。
俺達は、無造作に置かれたいくつかのベンチの一つに腰掛けた。
絵菜さんは、何を喋ったらいいか、わからないのか必死で会話を探している。
端から見ていると明らかにそれがわかって、少しだけ面白い。
励ます言葉を探すのって意外に難しいんだよな。
俺は、それを見守り、絵菜さんが、何を言うのか待った。
いつまでも経っても、考えてるようなので、俺から声をかけた。
「絵菜さんは、新撰組に入る前は、どこの時代の人だったの?」
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