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絵菜さんは、俺に向かって深く頭を下げた。
「いや!謝って欲しくて聞いたんじゃないんだよ」
俺は、絵菜さんの両肩を掴み、頭を上げさせた。
絵菜さんが口を開く。
「そうです。
絵菜は、偽名です。
私が、弥生時代にいた頃は、別の名前があったのですが、あまりにもダサくて……。
でも今は、新撰組のおかげで戸籍やらなんやら、ちゃんと佐伯絵菜ですよ!
savannaが始まる前は、友希と受付嬢をしていましたから」
なんかだいぶ生々しい話だな。弥生時代の話から、受付嬢の話か。
俺は、絵菜さんにもう一つ質問をした。
「邪馬台国の場所ってどこだったの?
あれって、未だにこの時代になっても場所がわかってないじゃん」
それまで、困惑していた絵菜さんが、首を振り、答えた。
「邪馬台国ですか!?
それは……秘密です」
「何で!?」
まだ科学で解明されていない邪馬台国があった場所。俺は、すげえ気になった。
「卑弥呼隊長の方針ですから、いくら古手川隊長でも駄目で~す!」
絵菜さんは、ベンチから立ち上がり、フェンスの方に歩み寄った。
「まなみさんは、彼女だったんですか?」
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