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車を降りた私は、凄まじい光景を目にする。
アスファルトは、血で染まり、まるで子供が玩具を散らかしたように、身体の破片が色々な場所に転がっていた。
最早、羽織りの「誠」の字がわかる人間さえいない。
「ちょっと私、きついです」
隣にいた絵菜さんが、吐き気をこらえ、口を手で押さえて、下を向く。
確かに匂いだけでも相当きついですわ。
これは映像で見た時より、遙かに酷い。
おそらく生き残りなんて、いない。いやこんな状況でいるはずがない。
絶望に包まれ、信長さんを探そうとしたその時。
少し離れた場所から声がかかる。
「卑弥呼さん!
信長さんがいました!」
それを聞き、私は、駆け足ぎみで足を動かした!
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