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腹にえぐられたような傷口があり、擦った後があるところを見ると、何回か顔を蹴られたのか、形が変わる程、腫れ上がっていた。
ただ刀は、握り締めたまま、大の字で仰向けに、堂々と死んでいる姿を見ると、逞しくもあり、勇ましく感じる。
「信長さん。
よく頑張りましたわ」
私は、一言呟き、信長さんのそばへ近寄った。
まだ数時間しか経過してないせいか、血は混じっているが死人とは思えない程、肌は綺麗な色をしている。
傷口を見ると、急所は外れていた。もう少し早ければ助かっていたかもしれないと考えるとやりきれない思いになる。
脈と心音を一応確かめたいけど、鎧と籠手が邪魔ですわ。
「どなたか、信長さんの籠手と鎧を取り外して下さい」
私は、隊士達に命令をした。
!!!!!
「か…………か……っ……てに……殺すな」
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