決勝戦へ向けて

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まさかの展開に私の視界は大きく歪む。 そんなバナナ……。 「知ってますよ。 あなたの大切なお友達ですよね?」 「はい! いつも私と一緒でヘタレなんですけど、頑張る時は頑張る奴で凄く良い奴なんです!」 私に向かって今日一番の笑顔をくれる真文さん。 一瞬、心臓が止まりそうな程、ドキンっとした。 そして同時に私は大切な事に気がついたんだ。 ああ。 私は何を考えていたんだ。 大切なのは恋とかじゃない。 これから始まる戦争でこの笑顔を守る事じゃないか。 世界で一番のその笑顔を守る事が私のするべきことじゃないか。 浮かれていた自分が顔から火が出る程、恥ずかしい。 誰を好きとか、告白とか、好きとか、愛してるとか、それは平和になった時の話でまずは戦争で彼女を守る事だろ? 私は必ず彼女を守る。 そして戦争で必ず運営委員会に勝つ! 私は真文さんに笑顔を返した。 「真文さん、帰りましょうか」 「はい!」 私は自分の胸の中で、自分だけで約束した。
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