決勝戦へ向けて

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「昨日というか今日というか、夜中は本当にお疲れ様でした」 小鳥のさえずりが聞こえてきそうな優雅な朝。 外からは溢れるほどの光が窓を通して部屋に侵入してきている。 スッ 昨日と同じ様な光景で、俺の前には古手川が椅子に座って音を立てずに上品にコーヒーを飲んでいる。 「ああ。 お前こそよくやってくれた。」 古手川はカップを机に置き、両手を腿の上に添えて姿勢を正してから口を開いた。 「朝、部屋にかかってきた内線では大切な用事と仰ってましたが、どんな内容ですか?」 真剣な表情を浮かべる古手川。 いけね。 また任務だと思ってるのか。 「今日は任務じゃねえよ。 昨日のご褒美だ」 「褒美……ですか?」 俺は椅子から立ち上がり、近くの棚の中からダンボール箱を取り出して、机の上に置いた。
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