決勝戦へ向けて

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私は誰もいない無人のフロントから、内線を使って真文さんの部屋に電話をした。 プルルルルル 受話器を握る手が熱い。 汗で若干滑りやすい。 緊張するな。 大丈夫だ。 天草四郎。 少し会って、修業の成果を真文さんに見せるだけだろう? だからそんな事でビビるなよ! 「もしもし」 受話器の向こうから真文さんの声が聞こえた。 うわっ。 うわっ。 うわっ。 なんで私はこんなに緊張しているのでしょうか? 何度、同じセリフを心で呟いた事か。 「あの、総長の天草です」
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