決勝戦へ向けて

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「え、あっ……はい! おはようございます」 受話器の向こうからは、真文さんの戸惑ったような声が聞こえる。 さては、私を意識して緊張しているな? 脈がないわけじゃなさそうですね。 「用事があるのですが、今から外に出てこれるでしょうか?」 「用事ですか?」 「はい……」 ついに言った! ついに言いましたよ! しかし今は決戦に向けて、誰もが忙しい。 これから予定が煮詰まっているはずです。 だから私は早朝を狙ってやってきたのです。 朝ならさすがにまだ予定は入ってないでしょうから。 私は真文さんの返答を待った。
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