決勝戦へ向けて

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ここなら広いし、見通しもいい。 「あ、あの……」 立ち止まった私に真文さんが口を開く。 「すみません。 もうこの辺で大丈夫です」 私は後ろからついてきていた、真文さんの方を振り返り声をかけた。 「用事というのは……?」 「ぜひ真文さんに見てもらいたいものがありまして」 「見てもらいたいもの?」 「はい。 少し離れて下さい」 私の言葉を聞き真文さんは10歩程、後ろへ下がった。 「いいですか? よく見てて下さい」 私は手のひらを胸に当てた。
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