282人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
だから比良の事は誰も知らなかった。
年齢は一番若い18歳で出会った時はボロボロの布切れの服で、いかにもって感じだったがこの時代に来て、総司の影響で髪を染めてからは派手になるまでそう時間はかからなかった。
顔は総司と同じで凄まじく整い、大きな瞳に鼻筋が高く手足が長い。
新撰組の会社以外にも、ホスト、飲食店で接客のバイト、居酒屋の呼びかけ、キャバクラのキャッチ、時にはその容姿のおかげかモデルの仕事もしていた。
まあ最後にはそれで歳にバレてしまい、かなりキツいお仕置きをくらったが……。
優しく元気があるが割と会議では大人しく、黒の盗賊戦でも目立って働きはしなかったが、天草の指揮のおかげもあるが二回戦のプレイヤーを一番多く倒したのが比良だろう。
自分が参加したsavanna GAMEでも、いつの間にかリーダーになってたようなやつだ。
多分、根が良い奴だから周りが大切にしたんだろう。
そういえば出会った時は泣いていた。
助かったのは自分だけだって。
何故、比良に聞いたか?
こいつが参加したsavannaの決勝戦は二つのチームが争って最後まで生き残っていたチームが勝ちってルールで、比良がリーダーをしていたチームはわずか300人に対して向こうは15000人いたとか言ってたな。
だからこそ俺は意見を聞いてみたかった。
「あっ、あっ、俺っすよね?」
比良が名前をいきなり出され慌てていた事に気づき俺は返事をした。
「そうだ。お前だ」
最初のコメントを投稿しよう!