全面戦争まで

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足早にキースを先頭に、砂を踏みラベンダーの香りが漂う。 この紫色の砂は潰すとラベンダーの香りが周りに漂うような物質なのか。 他の星に来たのは、初めてだからそれが俺にとってはすごく新鮮だった。 一番後ろを歩く俺は横に並んだ、さっきの女に声をかけた。 「傷は大丈夫か?」 「うん。平気だよ。気にしないで」 女は視線を俺に向けて微笑んできた。 「これから俺達、死ぬのかな……?」 「う~ん。僕は大丈夫だと思うよ。なんとなくだけどね」 初めて会話した。自分の事を僕と呼ぶ女は誇らしく可愛げがあり、強く感じた。 ああ。俺はこういう奴には勝てないなって実感したんだ。力とか強さとか、そんなんじゃなくて。 勝てない気がした。 「私語を慎め!!!」 前方からキースの怒鳴り声が聞こえ、俺達は黙って足を進めた。
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