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「真文、わかったな?」
空気が戻り、仁は真文を説得していた。
「………………」
真文は自分の紙を持って椅子から立ち上がり、黙って下を向いたまま、足を動かして部屋の出口へ向かう。
俺と仁はそれを黙って、目で追った。
「和也。さっきは何があったか知らねえけど、提出は明日までだから、しっかり考えとけよ」
まだ何も話してないのに、なんとなく仁は理解したような顔つきだった。
「わかった」
俺も立ち上がり、仁の部屋を後にした。
今は闇刀と少しでも早く、落ち着いて喋りたい。
その想いで俺の胸は一杯だった。
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