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渋谷和也―――――――――――
窓の外は夜が訪れて完全に闇に包まれている。
俺達は最後の休憩を仁の部屋でとっていた。
「そろそろ行くか……」
俺はハンガーから羽織を取り外して、袖を通した。
仁と真文も立ち上がり、準備を始めている。
闇刀も腰に差して準備は万端だ。
時刻は夜8時。三日後とは言っていたが、もういつ敵が攻めてきてもおかしくない。必ずしも12時過ぎに来るとは限らないからな。
既に大勢の人が屯所の外で迎撃と出撃に分かれて、敵が来るのを待ち構えている。
もう、だいぶ前から緊張していた。
未だに敵が攻めてくるなんて信じられない。
この三日間は至って平穏な日々だった。
これから戦いに行くなんて……。
そして、真文とは迎撃部隊だからここでお別れだ。
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