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「絶対に生き残ってええぇえぇ! 生きて帰ってきてえぇぇぇ!」
真文の瞳からは涙が溢れて、両掌で真文は顔を覆った。
このうるさい空間の中でもはっきり真文の声は聞こえた。
泣くなよ とは言えない。
俺は真文が好きなんだ。
だから出来ることなら、お前と一緒にいたいさ。
俺は………………勇気を出して真文に近寄り、そっと自分の胸に引き寄せた。
「大丈夫。必ず生きて帰ってくる。心配するな。お前も死ぬなよ」
本当は涙が今にもこみ上げてきそうだったが我慢して、俺は精一杯、真文に笑った。
「約束だよ?」
仁が真文の頭を撫でて、微笑んで口を開く。
「ああ。必ず生きて帰ってくる」
真文は誠の間に向かって歩き、俺達は屯所から出た。
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