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そいつは羽根を羽ばたかせて、一気に地上を目指して飛んでくる。
経験は浅いかもしれないけど、なんとなく身体が危機感を知らせてきた。
カブトムシのような体つきに手はカマキリ。
鎌の形をした鋭い刃を光らせて、両腕を広げながら急速に、下降してくる。
レベルはいくつだ……?
SGを取り出したいがそこまでの余裕はない!
俺達の方へ一直線に奴は飛んできている。
「仁!どうする!?」
仁の方へ視線を向けると、既に仁は返り血で浅葱色の羽織が真っ赤に染まっていた。視線は俺と同じ敵を見据えていた。
「こっちに向かって真っ直ぐ来ている。やるしかないだろ……」
「和也君。あれくらいなら三人でやればなんとかなるよ」
風を切り裂き、敵は俺達の前で空中停止した。
途端に周りのモンスターが避けるように離れていく。
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