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女性は風で揺れた髪を手で抑えながら口を開いた。
「どうしても君が大好きな和也君のとこへ行きたければ、連れて行ってあげるよ?」
「ふざけんなよ!」
古手川君が女性の背後から爪で切り裂くが、女性はまるで背中に目がついているのか疑ってしまう程、華麗にそれを避けて僕達から距離をとる。
「キャハハハハハ!汚いなあ。後ろから攻撃するのは反則だよ?」
女性だからといって、侮れない。
この子は相当強い。
背後まで気配の感じ方を完全にマスターしている。
「古手川君は先にメトロノーム宮殿に行くんだ。早く行って、近藤さんのところへ。僕はこいつについていく」
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