春夏秋冬部隊

13/32
前へ
/32ページ
次へ
女性は風で揺れた髪を手で抑えながら口を開いた。 「どうしても君が大好きな和也君のとこへ行きたければ、連れて行ってあげるよ?」 「ふざけんなよ!」 古手川君が女性の背後から爪で切り裂くが、女性はまるで背中に目がついているのか疑ってしまう程、華麗にそれを避けて僕達から距離をとる。 「キャハハハハハ!汚いなあ。後ろから攻撃するのは反則だよ?」 女性だからといって、侮れない。 この子は相当強い。 背後まで気配の感じ方を完全にマスターしている。 「古手川君は先にメトロノーム宮殿に行くんだ。早く行って、近藤さんのところへ。僕はこいつについていく」
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

304人が本棚に入れています
本棚に追加