262人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
「──全く。あなたが一人でゆっくり遊びたいと言ったから、私はゆったりと見物していたのに……」
突然、地上から氷柱が生え、氷が溶け出し、人間の形へと変わっていく。
綺麗に結われた白髪に銀縁の眼鏡をかけ、雪のように白く透き通った肌。真っ白な浴衣を着た男が姿を現した。
いた! 隠れていた、もう一人の敵だ!
今がチャンスだ!
正直、スキルの種を使っても“スパーク”じゃ使用レベル、つまり普段から使用してない分レベルが上がっていないため、致命的な威力は臨めないし、何より血の消費量が威力に対して割に合わない。
もう一つのスキルの種は……まだ最終手段としてとっておきたい。
となると……菊一文字だ!
菊一文字なら僕は普段から愛用してる分、変える大きさにもよるが血の消費量はかなり少なくてすむ。
新しい技の血の消費量も、菊一文字が一番効率が良いんだ。
これは結構、血を消費するけど仕方ない。
僕は待っていた。
もう一人の敵が現れ、同時に攻撃できるこの瞬間を!
血の消費量から考えても、なるべく一撃で終わらせたい。
僕は敵を見据えて、柄を握り締めた。
闇刀で言えば、第2段階なのか?
スキルの種で言えば、開花能力か?
僕は菊一文字の能力を発揮させた!
最初のコメントを投稿しよう!