奇跡の代償の先にあるもの

21/23
前へ
/23ページ
次へ
僕の視界は真っ暗になった。 意識があるのか、ないのかわからない。 寝ているのか、起きているのか。 全身がどんどん冷たくなっていく感覚。 あー。これが“死”か。 意識が離れてくんだけど、重たくない。 身体が地面から浮いている気がした。 変装だったなんて……。 僕には絶対に勝てない相手だ。 仲間を傷つける事はできない。 近藤さん、すみません。 僕はもう駄目です。 和也君……ごめんね。 君のとこへ行けなかったよ。 僕は駄目だったけど、必ず生きて残って欲しい。 突然、僕の身体があったかくなったような気がした。 暖かい。 友希さん、ごめんね。 新撰組のみんな、ごめん。 そして…………さようなら。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

267人が本棚に入れています
本棚に追加