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「!」
飛び立とうとした瞬間、フィフスが四本の足で弱々しく立ち上がろうとした。
必死に立とうとして、足の裏を地につける。
俺はその姿を思わず見守った。
そして、口を開く。
「……人間よ。なかなか見事な罠だった。不覚だった」
古手川隊長から話を聞いていたが、本当に喋るのか。
黒ライオンの足は弱々しく立っていて、誰が見ても虫の息なのは明らかだった。
「悪いな。フィフスSランク。お前には、死んでもらう」
俺がそう言ったその時、フィフスの横の空間が突然、歪むように捻れ始める。
なんだ?
空間が黒い渦を巻きながら、一つの穴が出来た。
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