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秋醒─────────────
僕は名前も知らない人に、感謝の気持ちを表して、お別れの言葉を告げた。
また逢いたいって思ったけど、なんとなく二度と逢えない気がしたんだ。
ありがとうとさよなら。
この人は僕達にとっては敵なんだよ?
だけど、悪い人じゃない。
名前も知らない優しい人が背中を向けたままだ。
僕はそのまま黙って、異次元ホールを開けた。
黒タマゴを背負い穴の中へ入る。
暗闇が広がって、穴は僕達を飲み込んだ。
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