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いつもは冷静なのに、ここまで取り乱した、ノア様を見るのは初めてだ。
黒タマゴの息が止まった。
ノア様は自分の身体より遥かに大きい黒タマゴに泣きつく。
「ノア様。申し訳ありません。そろそろ僕は行きますね」
僕は立ち上がり、泣き続けるノア様を尻目に異次元ホールを開いた。
泣き声が部屋中に響き渡っている。
嫌だな。殺し合いは。もう嫌って程、味わって感情がめちゃくちゃになっている。
僕達は生まれた時から、そういう風に育てられた。
だからそれが当たり前で、何も感じない。
ほとんど洗脳のようなもんだ。
少なくとも僕は目が覚めた。
目が覚めたからって、どうしようもないけど……。
“殺し”と“死”が当たり前のような洗脳から目が覚めたきっかけ。
僕は感謝している。
それが夏鮫なんだ。
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