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外からは、めちゃくちゃに斬ってるような斬撃の音が聞こえきた。
「っつうか、お前、能力的に仕方ないけどいつも気配なく突然現れるよな」
夏鮫はそう言いながら、壁越しに窓の外を窺っている。
夏鮫はここに隠れていたのか……。
みんなに秘密にしているけど、僕の異次元ホールの開花能力。
実はね、好きな人の場所へならどこへでも行けるんだよ。
だから夏鮫をいつも追う事ができたんだ。
好きな人ってのはね、恋愛って意味だけじゃなくて、春雨や冬冷もで!
家族のような……。
「強いわけじゃない。ただ生きようって力が強いんだ」
夏鮫は相変わらず僕の目は見ないで、外を窺いながら口を開いた。
「負けそうなの?」
「いや今ならまだ俺が勝てる」
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