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「今は何も考えないで、生きるのよ!真文さん!目の前で起きている事から目を背けて逃げ出しても何も変わらない!」
卑弥呼さんに肩を揺さぶられ、脳が覚醒した。
音が少しずつ戻ってくる。
今、私は何を考えていたんだ……?
そうだ! 卑弥呼さんの言う通りだ!
しっかりしなきゃ!
「大丈夫みたいね」
卑弥呼さんが優しく微笑んでくれる。
「すみません」
私は卑弥呼さんに頭を下げた。
「じゃあ行きますよ」
卑弥呼さんは私の表情を見て、もう一度微笑んでくれた。
「おい!あれを見ろ!おかしいぞ!」
突然、この戦火の中、一際目立った言葉が耳に入ってくる。
私と卑弥呼さんはすぐに声がした方へ視線を向けた!
敵の戦闘員が、腰を抜かして空を指差している。
私は視線をそのまま空に向けた。
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