265人が本棚に入れています
本棚に追加
私はとりあえず近くに倒れている人を肩を組んで支えた。
「すまない……」
片方の眼球が潰れ、皮膚がただれて上半身は肉が剥き出しになり、血だらけになっている。
私の羽織に血がベトっとついた。
意識はあるんだ。
名前も知らない誰かだが、みんなが必死に戦っている。
早く終わって欲しい。
なんでこんな事になっているのか?
本当に勝てるのか?
不安が一気に襲いかかってきた。
私は胸の上に掌を当て、暴れる心臓を抑えた。
「足を怪我している人を治せるとこだけすぐに治して!時間がないですわ!歩ける人は歩いて!」
卑弥呼さんの声が誠の間に響き渡る。
最初のコメントを投稿しよう!