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渋谷和也───────────
斬撃がほのかに鉄の生臭い匂いを漂わせ、目の前のビルが崩壊していく。
「出てこい!」
俺は張り裂けそうな程、喉の奥から声を出し、崩壊したビルに向かって叫んだ!
崩れたコンクリートの中に小さなドーム状の白く輝く光が見える。
以前、見た事がある。
あれはホワイティングカーテンって名前の結界みたいなやつだ。
戦いが始まってから、どれくらい時間が経過したのかわからない。
BLACK DEVILが時間がきて解けてしまい自我を取り戻したが、俺の体力は怒りのおかげなのか、疲れた様子もなく嘘のように元気だった。
手数は同じ。ほぼ互角と言っていい程の戦いを続けているが……。
向こうは最初に一発殴ってから無傷。
こっちは小さなダメージが蓄積されている。
『和也!来るで!』
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