261人が本棚に入れています
本棚に追加
溜め息をつき、一瞬の間を空けてから私は口を開いた。
「………………面白い人ですね」
「ハハハハハ!そなたもな!わらわの次に、スキルの種を使いこなすセンスがあると思うぞ!」
私は残った右腕の掌を広げたり、握ったりして感覚を確かめ直した。
失った左腕の激痛と傷ついた右腕の激痛。
共に体力を激しく奪っているが、まだ残った右腕は感覚を失ったわけじゃない。
「どうした? 天草。
わらわと共に来い。
その傷を本部で治してやる。その後はわらわと共に生き残ったプレイヤーを始末しに行こう」
「例え、
世界が滅んでも、
世界が崩壊しても、
どんなに嬉しくても!
どんなに悲しくても!
どんなに辛くても!
どんなに泣いても!
大切な人を裏切る事は、絶対にない!
私が死に値する苦しみにあっても!
私が死んでもだ!
誰があなたみたいな、クソについて行くか!
それなら死を選ぶ!」
「バカな男だ。わらわには理解できないな」
「例え私が殺られても、私の仲間が必ずあなたを倒してくれる。
そう、私は信じている」
「ふん。戯言だな。それなら死ね!」
最初のコメントを投稿しよう!