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気づけば、私の頬には透明な雫が伝っていた。
ほとんど人間じゃなくなっても……。
涙は流れるもんなんですね。
「あー。それが嬉しい。それが私が人間である証だ」
「気でも狂ったか?」
私は千切れた腕で涙を拭った。
「あなたにはわからないでしょう。
嬉しさや悲しみが……」
「ハハハハハ!そんな物、手に入れるくらいなら、わらわは力を望むわ!」
「可哀想な人だ」
私とあなたの決定的な違い。
それは力を望む事は同じだけれども、力を望む理由が違うこと。
何があっても諦めません。
最後のその時まで。
私は戦い続ける。
「天草。この何もない大地で、お前は孤独に散るがいい」
来るっ!
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