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「ぐはっ!」
地上に叩きつけられた衝撃に脳が揺さぶられる。
視界は広大な夜空に、宙に浮かぶピスさんを歪んで映す。
まずいですね……もうあまり力が入らな……い。
それでも立たなければ。
私は片腕を地につけ、這いつくばって、足に力を入れ立ち上がった。
不思議なものだ。
足は機械なのに、小刻みに揺れている。
ピスさんはゆっくりと空から私の目の前へ降り立った。
段々と焦点は合っていく。
「私……は……あなたには屈しなかった。
その時点で私はあなたに勝ったんだ」
ピスさんは無表情で、私の首もとに手を伸ばしてきた。
避けようとしたが足元がふらつき、一歩後ろに下がる事さえも限界だった。
凄まじいスピードで伸びてきた手は私の首を掴む。
「ぐっ!」
足が地を離れ、私の身体が持ち上がった。
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