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爆発によって生み出された吹き荒れる煙が段々と薄れていく。
俺は眉間にしわを寄せて、目を細めて皇子が立つ位置を見据えた。
「────!」
予想通り皇子は生きていた。
これくらいで死ぬはずがない事は重々承知している。
シャボン玉のような薄い膜で出来た透明な球体が皇子を覆っていた。
地上から奴の声がはっきり聞こえてくる。
「なかなかだ。思わず能力を使ってしまったぞ」
皇子がそう言った直後、構えていた刀を降ろすと薄れていくシャボン玉。
まさに見下されっぱなしだな。
あの刀が身を守ったのか……?
厄介だな。バリア系の技が使えるのか……。
今使った光線は、時間がかかるから早々、何発も撃てるもんじゃない。
多少威力が落ちても細かく連射して、隙を狙おう。
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