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ヒビを直しながら、闇刀と全く同じ色に染まり出す光刀。
オセロの駒が端から端へ一列全てが裏返るように、白が黒に喰われていく。
刀身は、瞬く間にどす黒い暗黒の色へと変身した。
とうとう柄の部分の浸食が始まる。
「離さねえ!離すわけにはいかないんだ!」
俺の口から零れた言葉は、狂ったような叫び声に近かった。
訳が分からなくなり発狂寸前の精神状態。
視界は現実を疑いながら歪み、手の力だけは緩めないように強める。
『まだ間……に合う!
私を捨てろ!夏鮫!』
……………………。
捨てられねえよ……。
光が全て闇に染まり終えた。
刹那。
angelic waterを発動した時のように、光刀は水へ変化する。
ただし、いつもの安らぎを感じさせる純白ではなくどす黒い水。
水は俺を包み始めた。
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