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一気に身体全体を包み込まれ、視界は闇に覆われ真っ暗になる。
「うぐっ!」
息ができない!
それどころか、水が俺を攻撃してきている気さえする!
邪悪な水は肌を突き刺すような荒々しい流れと、重たくどす黒い悪魔の雰囲気を持っている。
水に覆われ息が出来ない中、俺は口を閉じて息を止めた。
少しでも意識を保てるように、水が掛かる前に含んだ空気を少しずつ肺へ送っていく。
それもすぐに限界が訪れる事は一瞬で判断できた。
判断しても全くの無意味。
水からは絶対に脱出できない。
光刀……秋醒……。
俺、死ぬ……のか?
考えさせる暇もない程の圧迫感と殺意。
息が限界になり、俺は口を開いた。
途端に侵入してくる水は歯と舌を通過し、一気に喉を越していく。
だ、駄目だ!もう意識が!
闇に包まれていた視界。瞼を瞑るとさらに闇が待ち受けていた。
完全に暗闇に飲まれた瞬間だった。
光刀……秋醒!
ごめん。
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