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『アカン!飛ぶんや!』
いや!こっちも溜めた力を使おう!
さっきまで身体に溜めておいた黒い雷の力を、俺は放出する準備をした。
身体全体から稲妻を生みだし、夏鮫を狙い放出させていく。
『ボケエエェ!アホ!アカンて!』
「──!」
闇刀の怒声が頭の中で響くが、既に遅かった。
夏鮫の身体から生み出される黒い雷は、俺の雷より遥かに巨大な力。
自分と同じ力だから、それは見ただけで判断できた。
異常な力を目の前にして、俺の中で時が静止した。
これまでに何度も味わっている死の瀬戸際。
全ての音がかき消され、独特な生暖かい空気に包まれたような気分になる。
『アホ!アホ!最後までアホや!』
闇刀も何が起きたのか判断していた。
駄目だ!おそらく助からない……!
「うぁああああああ゛」
雷鳴を轟かせた夏鮫の黒い雷が俺の雷に衝突し、吸い込まれるようにその場は光り輝く!
雷は光を巻き込み、光が渦を巻きだす不思議な光景を目の当たりにした直後、高音が鳴り響き、中心は一気に爆発を起こした!
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