天才科学者と平民

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全身を巡る血液。 破裂しそうな程の鼓動。 銀色の毛の奥に滲み出た汗。 それら全てが緊迫した空気を作り出す。 相手とは勿論レベルだけではなく、身体能力から始まり、あらゆる面で差があるだろう。 それこそ天と地、象と蟻くらいの差だ。 そんな象に対抗、いや蟻が象に勝つための方法は? 俺が勝つなら、やっぱり策しかない。 何か有効な策をこの場で考えるんだ。 思い出すな。あの時の事が遠い昔のように感じる。 二回戦終盤で、セスを倒すために考えた作戦。 あの場で考えたにしても、本当に散々な作戦だった。 おじさん……。 もうあの時のように、ミスをしても誰かが守ってくれるわけじゃない。 作戦を考える事に気を抜かして油断したら、一瞬で殺されるだろう。 しっかりしろ! まずは……相手とどれくらい差があるのか、試してみるか。 俺は花道院に向かって駆けだした!
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