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「何が起きたの!?」
真文もこの異常な空気に気がついた。
そうか。俺はモノクロの視界を通しているから見えているが、真文にとっては完全な闇なんだ。
空では 黒い水が暴れるように飛び交っている。
あれは……和也なのか?
違う。根拠はないが、あれは和也じゃない。
それだけは何となくだが わかった。
全身水に包まれ、姿は見えない……。纏った水は泉から溢れてくるように増していった。それと同時に、古い黒い水は散っていく。
その直後 今度は水の内側から、黒い炎が燃え上がる。
水から炎へ。
あまりに巨大な力を感じ、まさに虚無感を得たような、どうしようもなく折れた心。
その黒き炎は 闇に包まれたこの部屋全体を照らした。
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