運命の6分00秒

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新たに作り上げられていく無数の身体。破片から、全身が形成されていく。 夏鮫を囲う大勢の花道院。四肢が生えると顔を形が浮かび上がってくる。 一体、何人いるんだ……。予想外だ。これだけの分裂が出来たなら、俺は負けていた。 はっきりとした現実。 何百人はいるだろう分裂した花道院の身体達が次々に完成していく。 シルバーライオンのタイムリミットは残り一分を切った。 花道院が生き残っても、夏鮫が生き残っても、どっちにしろまずいな。 かと言って、俺にはここに割り込む力はない。 全ての身体を完成した花道院は、けたたましい笑い声を上げる。 夏鮫は硬質化した刀をただ構えていた。
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