運命の6分00秒

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六分間の運命の時間で、俺が出来た事は何もない。 賭けていた時間の大半は立ち尽くして見守り、そして今終わりを迎えようとしている。 花道院にダメージを与えたわけでもない。 策も全て失敗。 あまりにもレベルが違う、目の前の戦闘。 考えて見れば、肝心な時に俺はいつも失敗している。 だからこそ、最後の約束だけは貫き通したい。 大切な人を守る事。 それだけは、何としても成し遂げたいんだ。 それさえ叶うなら……。 叶うならば、自分はどうなろうと構わないんだ。 花道院の残り数は三人。 シルバーライオンの残された時間は三十秒を切った。
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