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フライシューズのエンジン音が、下に落ちるように遠ざかっていく。
無事に玉座の間から出たようだな。
「望み通りに……」
思ったより早く血が無くなりそうだ。
視界が霞み、クラクラしてきた。
二度あったはずのチャンスは、どう考えても一度きりだな。
一撃必殺は、右腕に溜めた力を解放するのみ。
シンプルかつ豪快が俺は一番好きなんだ。
右腕を動かし、皇子に照準を合わせる。
まるでバズーカ砲を構えた気分だ。
放てば衝撃で俺は吹っ飛ぶ。それまでどれくらい持ちこたえられるか。
装着した虎徹の向こうに見える皇子は、未だに動かない。
この距離なら確実に直撃だ。
ドクンッ!
ドクンッ!
ドクンッ!
高鳴る心臓の音を、懸命に沈めていく。
俺はもう一度しっかり狙い定め、一気に力を解き放った!!!
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