頂上決戦②

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フライシューズのエンジン音が、下に落ちるように遠ざかっていく。 無事に玉座の間から出たようだな。 「望み通りに……」 思ったより早く血が無くなりそうだ。 視界が霞み、クラクラしてきた。 二度あったはずのチャンスは、どう考えても一度きりだな。 一撃必殺は、右腕に溜めた力を解放するのみ。 シンプルかつ豪快が俺は一番好きなんだ。 右腕を動かし、皇子に照準を合わせる。 まるでバズーカ砲を構えた気分だ。 放てば衝撃で俺は吹っ飛ぶ。それまでどれくらい持ちこたえられるか。 装着した虎徹の向こうに見える皇子は、未だに動かない。 この距離なら確実に直撃だ。 ドクンッ! ドクンッ! ドクンッ! 高鳴る心臓の音を、懸命に沈めていく。 俺はもう一度しっかり狙い定め、一気に力を解き放った!!!
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