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秋醒────────────
「もう 大丈夫ですか?」
「ええ。ありがとう」
夏鮫を、暗闇の間に。
あの青年を玉座の間に。
ノア様の指示通りに送ったけど、本当にあれで良かったのだろうか……。
夏鮫は皇帝陛下の策略に嵌められ、自我を完全に失ってしまった。
春雨。夏鮫。冬冷。みんないなくなってしまった。
指示通り、二人を送った後、僕はノア様の部屋に帰ってきた。
既に命を落とした黒タマゴに別れを告げ、ノア様は立ち上がった。
「さあ。行きましょうか。秋醒」
「え……」
ノア様の表情はさっきまでと違い、曇りはない。
「全ての真実と決着を……」
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